愛犬の爪切り、痛みと絆と抜け殻

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愛犬の爪切りをしていたとき、うっかり深爪をしてしまいました。そのときの愛犬の様子や、深爪をしてしまったことで得た気づきなど、シニア犬だからこそ気を付けたい、深爪についてのお話です。

 

愛犬の爪と足

後肢の筋力が弱く、パテラの悪化で関節が変形している愛犬。

そんな愛犬にとって、足の爪がのびると滑りやすくなり危険なため、定期的な爪切りをしています。

 

ある日いつも通り愛犬の爪を切っていたら、不注意で切りすぎてしまいました。

犬の爪は足側の根本から、一定の長さ、神経が通っています。そのため、切っていい爪のように見えても、そこは「神経が通っている部分の爪」ということがあり、切りすぎると出血してしまうのです。

血が止まらない

パチンと切れた爪。愛犬の爪先からにじむ血。

出血している爪先をガーゼで押さえても、なかなか止まりません。

 

痛かっただろうな……。と思いながら、愛犬を抱きかかえて止血を続けました。

動物病院だと、爪切りをするだけでも大騒ぎをするようになった愛犬。

愛犬は痛みに耐えているのか、私の首元に鼻先をうずめ、なすがままにされています。

 

ほんとうにごめん。

 

愛犬に何度も伝え、爪先を抑えていたガーゼを取ると血は止まっていました。

しばらくすると、トイレに行きたそうなしぐさをしていたので、床に降ろしてトイレに誘導。

するとまた、トイレシーツに血が。

まだ早かったか……。

排泄を済ませた愛犬を抱きかかえ、また止血を。

 

動物病院へ相談すると「止血するので、今から来られますか?」とのこと。

愛犬の足にガーゼを巻き、動物病院へ行きました。

 

動物病院の帰り道

動物病院で止血をしていただき、念のため足に包帯を巻いてくださいました。

愛犬は車の助手席でキャリーバッグにからだをうずめ、おとなしくしています。

 

深く爪を切られたのに、鳴くこともせず黙って耐えていた愛犬。

それを考えると、健気に思えて胸が締め付けられました。

愛犬は私がやることに対し、きっと何の疑問も持たずに信じ、受け入れてくれているのでしょう。

 

いつも一緒にいると忘れてしまう、愛犬との絆を再確認した気がします。

 

大きなケガではありませんが、とても痛かったと思います。

照明灯が照らす愛犬の姿を横目でみながら、本当に申し訳ないことをしたと、深く反省するのでした。

小さな足の抜け殻

自宅に戻ると、疲れたのか愛犬は眠り始めました。

部屋のところどころについている愛犬の血をふきながら、小さな足に巻かれた包帯を見て、改めて反省しました。

 

数時間すると、おやつも食べ、水も飲み、いつも通りの愛犬に戻りました。

ふと足に巻かれた包帯を見ると、取れかかっています。

もうだいぶ時間も経ったし、このままつけておくと危ないかな?と思い、包帯を引っ張ってみると、きれいにとれました。

 

愛犬の足とまったく同じ形をしている包帯の抜け殻。

 

いつもこんな小さな足で、からだを支えているのかと考えながら、手に取ってまじまじと眺める私。

爪からの出血はすっかり止まっています。

愛犬の足と包帯の抜け殻を交互に眺めていると、包帯の抜け殻まで愛おしく感じてきました。

 

捨てられない……。

 

包帯の抜け殻をそっと机の引き出しにしまい、もう愛犬に痛い思いをさせないと誓うのでした。

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